20代男性の2人に1人は生命保険に入らない
おもに世帯主が死亡した場合に、残された家族の生活を支える目的で加入するのが「生命保険」。専業主婦が多かった高度成長期などは、働き手の夫が数千万円単位の死亡保険をかけ、妻が保険金を受け取る契約がほとんどでした。

国内の死亡保険の総保障額にあたる保有契約高のピークは1997年。ピーク時には1,500兆円に達したほど。日本が米国に次ぐ世界第2の保険大国になる原動力となりました。
しかし、90年代の後半以降はデフレ下の家計見直しで死亡保険を解約したり、保険金額を縮小したりする動きが加速。共働き世帯の増加で高額な死亡保障へのニーズが薄れてきました。
また、所得が相対的に少なく独身者が多い若年層では、死亡保険に入らない人も増えました。とりわけ20歳代男性の直近の加入率は「約52%」と、2人に1人が生命保険に加入していません。
最近は死亡に備えるニーズよりも、病気やけがになった場合や働けなくなった場合に備える保険への需要が高まっています。銀行の窓口などで販売される一時払いの保険は、まとまった資金を運用する目的で加入する契約者が多いですが、契約中に死亡した場合にも保険金が支払われます。
このように、最近では万が一のリスクだけに備える商品よりも、多様な目的に対応する商品が増えています。しかし一方で、複雑な保障内容が消費者にとってわかりにくい…という指摘も根強いのです。