減り続けてきた生命保険の契約額に歯止め!
縮小を続ける国内の生命保険の契約額に歯止めがかかってきました。家計の保険見直しが一巡し、過剰にかけていた死亡保障契約が解消した一方で、貯蓄性商品は伸びているためです。

とはいえ、少子高齢化で国内市場はピーク時に戻るほどの成長は期待できません。生命保険各社は今後、需要が見込める医療やがん保険の販売を強化しています。
個人保険の死亡保障の合計額を示す保有契約高は2013年11月末で「859兆円」。前年同月に比べ0.1%の減少にとどまりました。過去最高だった1997年7月の「1,498兆円」から16年半で4割以上も縮小した市場。ここに来てようやく底打ちし、反転がようやく視野に入ってきました。
生命保険文化センターによると、ピーク直前の1996年に男性は「平均2,777万円」の死亡保険をかけていました。その後は家計を切り詰めた影響で、2013年の保障額は「1,912万円」と800万円以上切り下がったのです。女性も「平均1,299万円」から「895万円」へ約400万円保障額が落ちました。
落ち込みが目立つのは、死亡保障を軸に医療などさまざまな特約を組み合わせる「定期付終身保険」です。90年代後半は死亡保障全体の6割以上を占めていましたが、2013年9月時点で2割程度に縮小。不要な特約には入らない傾向が鮮明で、保障内容がより簡素な定期保険市場は拡大しました。
こうした保険を見直す動きがここにきて一服。足元で伸びているのは貯蓄性商品です。契約から6~10年程度がたったあとに解約すれば、元本を上回る返戻金を受け取れる一時払い終身保険は、利率がほぼゼロの預貯金の代替の運用商品として銀行の窓口で人気を集めています。
明治安田生命保険では年間販売額が1兆円程度に到達。一時払いを中心とする終身保険の伸びは前年比で10%を超えています。ただし、金利が上昇すれば貯蓄性の生保商品への需要が細る可能性も否定できません。