水漏れ急増!火災保険料が3~5%引き上げ
家庭向けの「火災保険」の保険料が2015年度にも、3~5%程度上がる見通しです。全国的に建物の老朽化が進んでいるため水漏れなどによる保険金支払いが増えているのが要因です。
「火災保険」は、火事や台風、水漏れ、盗難などによる建物や家財の損害を補償する保険。基準となる保険料率は損保各社で作る損害保険料率算出機構が検証します。実際の保険金支払いが長期にわたって想定を上回れば、保険料率を引き上げる仕組みです。
今回の引き上げはおもに水漏れ被害の増加。保険金額は2012年まで2年連続で想定を上回っています。損害保険料率算出機構は11月末の検証結果を踏まえ、2014年春にも基準となる保険料率の値上げを金融庁に届け出る予定です。
そののち、損保各社は2015年度中に保険料を引き上げる見通し。2007年と2010年の過去2回の改定では、保険料は住宅の種類によって上げ下げがまちまちでした。今回の保険料率の値上げ幅は3~5%程度となると見られます。
ただし、保険料率の引き上げは損保各社への強制力はありません。このため、経費を削減した損保が値上げ幅を削ったり、逆に収益改善を狙う損保が保険料を上乗せしたりする可能性もあります。
火災保険は1千万件を超える新規契約のうち、1年更新の短期契約が4割を占めています。契約者は2015年度以降の更新時に保険料が上がることになります。2015年度以降にまたがる長期の契約者は、次回の更改時まで保険料の値上げはありません。
また、火災保険の新規契約者の6割は地震保険にも加入しています。地震保険も2014年7月に平均15%ほど上がる予定で、家計の負担が一段と増すことになります。