カプセル型内視鏡による大腸検査が保険適用
飲むだけで大腸内を撮影できる「カプセル型内視鏡」による大腸がんの検査が、2014年1月から公的医療保険の対象になることが決まりました。厚生労働省の中央社会保険医療協議会が2013年11月6日に承認したものです。
大腸がんの検査は、これまではお尻の穴から内視鏡を入れて、腫瘍などがないかを調べるのが一般的。肛門にチューブを通すという手法に戸惑う人が多いのが現状です。それと比べると、カプセル型内視鏡による検査は、痛みと心理的負担がないことが利点です。
承認されたのは、長さ31.5mm/直径11.6mmのカプセル型の内視鏡です。2台の小型カメラとLEDライト、バッテリーが内蔵。1秒間に最大35枚の画像が撮影できます。撮像カメラを両側に配置することで視野角を拡大。複雑な構造の大腸に対応しています。
また、リアルタイムにカプセルの移動量を判別して、1秒あたりの撮像
枚数を調整することが可能です。価格は83,100円。諸費用と合わせて、3割負担なら検査は1回数万円となると想定されています。
ただし、カプセル型ができるのは撮影だけ。実際に腫瘍が見つかっても、従来の内視鏡のようにその場で切除はできません。腫瘍の切除や悪性かどうかを詳しく調べるには、お尻から内視鏡を入れることは必要です。
「大腸がん」は、厚労省の2012年統計によると女性のがんによる死因の1位、男性も3位となっています。検診の受診率は40歳以上の男女で、ともに3割未満で、精密検査を受けない人が多いのが課題とされてきました。今回の公的医療保険の対象に承認されたことで、大腸がんの精密検査の受診率向上が期待されています。