賃貸入居時の「保険」に隠された落し穴とは
賃貸住宅を借りるとき、入居条件として家財の保険に入るよう求められた人は多いでしょう。不動産業者の店頭でなんとなく契約したりすると無駄な保険料を払うリスクがあります。家財がどのくらいあるのか、万が一の場合にいくら保険金が要るのか…しっかり考えれば保険料を節約できるのです。

賃貸入居時の「保険」とは
賃貸住宅の保険は「家財保険」を中心にいくつかの種類があります。家賃や敷金、礼金など、大きなコストに関心が向きがちですが、家財に必要以上の保険をかけるのは避けたいところ。保険料が高くなるだけで、保険金は実際の損害額までしか出ません。
不動産業者が入居者に家財保険の加入を求めるのは、それとセットになっている「借家人賠償責任保険(借家賠)」に入ってもらうことがおもな目的とされています。「借家賠」がない入居者が火災をおこしたりして被害の賠償金が払えないと、家主が大きな損失を被り、入居者自身も経済的に追い詰められかねないからです。
ところが「借家賠」だけでは保険料が安く、不動産業者にとっては代理店ビジネスの魅力がありません。このため保険会社は、家財保険とセットにして保険料をかさ上げせざるをえない面があるのです。多くの場合、保険料の30~45%ほどが代理店の手数料になります。ネットで損害保険会社の代理店を見つけ、保険金額を下げて契約すれば保険料を節約できます。
また、保険金額は家財をどのくらい持っているかではなく、どのくらいの補償が要るかで決めるべきでしょう。計算方法は、大きな家財をざっと足せばよいだけ。一人暮らしなら50万円が一つの目安になります。
家財保険は「かけ過ぎ」の面がある一方、地震保険の契約が少ないことがほとんど。家財保険には制度上、地震保険が付けられず、地震による揺れ、火災、津波などで家財が壊れたり、燃えたりしても保険金は出ません。
地震保険の保険料は都道府県で異なりますが、東京都は鉄筋コンクリート造りで保険金額100万円あたり年間1,690円。これまで意識していなかった家財保険のかけ過ぎを削り、その分を地震保険に充てるのも一案でしょう。