医療保険は終身タイプの短期払いがオススメ
医療保険に加入する場合、10年ごとに契約を更新していく「定期タイプ」と、生涯にわたって保険料が変わらない「終身タイプ」のどちらが得でしょうか?
病気やケガで入院した場合に、1日あたり5,000円が支給される医療保険で考えてみましょう。39歳の女性が10年更新の定期タイプに加入する場合の保険料をある生保で試算すると、月935円です。一方、別の生保の終身タイプをみると保険料を生涯にわたって払い続ける「終身払い」は1,840円、60歳までに生涯の保険料を払い切る「短期払い」は3,225円。契約当初の保険料は定期タイプがもっとも安くなります。
しかし、定期タイプは10年ごとの更新時に年齢に応じて保険料が上がります。49歳で最初の更新を迎えると保険料は5割増の1,395円、59歳の2回目の更新ではほぼ2倍の2,755円になり、これ以降は終身タイプの終身払いより高くなります。39歳からの累計保険料を試算すると、定期タイプは70歳で終身タイプの終身払いを、72歳で短期払いを上回りもっとも高くなるのです。
定期タイプを選ぶなら、加入期間は保険料が安い若いときに限定し、老後の思わぬ医療費の支出に備えるため十分な貯蓄をするのが基本です。
ただし、病気になるリスクは高齢になるほど高まります。医療保険は入院や手術などで給付金を受け取る経験をすると、契約を更新しないことに不安になる傾向もあります。病気の種類によっては入院や手術を繰り返す場合もあるため、保険料が変わらずに継続できる終身払いタイプを選択するのも1つの選択肢です。
高齢期も含めて医療保障を確保する安心感を重視するなら、現役のうちに保険料を払い切る終身タイプの短期払いがもっとも適しています。生涯で支払う保険料が確定し、定期タイプのように一定年齢で保障が切れることはありません。終身払いの累積の保険料が短期払いを上回るのは、この場合は75歳。平均寿命まで生きるとすれば、終身払いより短期払いのほうが負担は少なくなります。
医療保険は現在の保険料だけに左右されず、老後までの長い時間軸で考えて選ぶことが大切です。